イギリス、パキスタン系コミュニティのいとこ婚が引き起こす健康リスク問題
イギリス北部ブラッドフォードでの長期追跡調査「Born in Bradford」が、パキスタン系移民コミュニティにおけるいとこ同士の結婚(従兄弟婚)が子供の健康リスクを高める可能性があると指摘し、注目を集めています。BBCなど複数のメディアがこの問題を慎重に報じています。

イスラムの国を旅行した時、やたら義足とか義手を売ってる店が多かったので、ガイド(現地人)に戦争とかで障害を負う人がいて大変ですねと言ったら、即座にイヤイヤ近親婚が多いから奇形かたくさん生まれるんですよと言われた衝撃。
— FIRLおじさん (@FIRL54062916) May 31, 2025
調査によると、ブラッドフォードのパキスタン系コミュニティでは、2016~2019年のデータで約27%の女性が第一従兄弟と結婚していることが確認されました。この割合は、10年前の37%から減少しているものの、依然として高い水準です。 特に、2023年のデータでは、特定の地区でパキスタン系母親の46%が第一または第二従兄弟と結婚していると報告されています。
PR
「Born in Bradford」研究の主任研究者であるジョン・ライト博士は、従兄弟婚が「かつては多数派だったが、今は少数派になりつつある」と述べ、減少の背景には教育水準の向上、移民規制の強化、家族構造の変化があると分析しています。しかし、調査では、従兄弟婚から生まれた子供は、言語や学習面での問題を抱える確率が、非近親婚の子供(7.4%)に比べ11.3%と高く、先天性異常のリスクも増加する傾向が示されました。
この問題は、英国の移民政策や多文化社会における健康・福祉施策にも影響を及ぼしています。一部の政治家は、従兄弟婚を禁止する法案を提案。保守党議員リチャード・ホールデンは、従兄弟婚を親子や兄弟姉妹間の結婚と同等に扱う法案を昨年提出しましたが、労働党の反対により進展していません。
YouGovの世論調査では、英国人の9%が従兄弟婚の合法性を支持する一方、パキスタン系・バングラデシュ系コミュニティでは39%が支持しており、文化的差異が浮き彫りになっています。

(出典 X)
PR
YouGovの世論調査では、英国人の9%が従兄弟婚の合法性を支持する一方、パキスタン系・バングラデシュ系コミュニティでは39%が支持しており、文化的差異が浮き彫りになっています。

(出典 X)
一方、X上では、この問題が移民政策の失敗として議論される一方で、近親婚のタブー視は古い価値観に基づくとの意見も見られます。あるユーザーは「データは不十分で、近親婚のリスクを誇張すべきではない」と指摘し、文化的背景を尊重する声も上がっています。 また、若い世代のパキスタン系住民が従兄弟婚を拒否する傾向が強まっているとの報道もあり、社会的変化が進行中です。


この問題は、医療負担の増大や社会統合の課題として、英国政府にさらなる対応を迫る可能性があります。移民政策の議論が続く中、多様なコミュニティとの対話が求められています。
(情報は2025年6月時点の報道に基づいています)
コメントする